2016年12月7日水曜日

【後編】『中国遊園地大図鑑 北部編』完成しました! お化け屋敷が汚いです!

『中国遊園地大図鑑 北部編』が完成しました。前編に引き続き、後編でも紹介します。前回に引き続き、ワザと画質を落としてます。




北部編は三章から成り立っており、続きの第2章は東北地方の黒竜江省や吉林省です。旧満州国の領域でハルビンや長春が多いです。


いきなりコラムですが、これはネズミ型のジェットコースター特集です。この様に何かから思いっきりインスピレーションを受けたジェットコースターが中国各地の遊園地で目撃されています。なぜネズミを象る必要があったのか。


遊園地やテーマパークの廃墟は日本でも人気のテーマですが、中国でのとなると珍しいでしょう。そして中国全土で無数に存在する凱旋門のパクリ。


正面から見ると豪華なシンデレラ風のお城だけど、裏に回ると薄っぺらいハリボテだと分かります。


日本でもデパートの屋上などにあった100円コインの遊具的なものですが、中国だと得体の知れないキャラクターのオンパレード。


このコラムではヘンテコリンな看板、パクリだらけの看板を集めました。


第3章は遼寧省です。大連や瀋陽がメインです。


ネズミ型キャラクターやあんパン型キャラクターの遊具など。


まるで幼稚園児が描いたかの様な壁画。


子供達が自由に遊園地の壁に落書きしたかのような絵の数々。


あまりのグロテスクさに、怖いというより気持ち悪いという感想が先立つ、中国のお化け屋敷。


怖いというだけでなく、何だか汚らしく、雑然とした中国のお化け屋敷。


日本のバブル建築を凌駕する、やり過ぎ感溢れる超豪華リゾートホテル。シンデレラ城をモチーフにしたのかもしれませんが、近未来風超高層ビルの様でもあり、異様です。こうした不思議な建築も載せてます。


中国の遊園地で売っている偽物キャラクターグッズの数々。


パクリっぽいものが目立つ一方で、本格的な遊園地も沢山出来てきているようです。これは大連の発現王国というテーマパークで、非常に洗練されていて、ハイレベル。日本の遊園地と遜色はありません。


ディズニーランド風のパレードもやっている様なのですが、どう考えてもアメリカ人スタッフではなく、ロシア人。しかも冬季はクローズされているので、ウラジオストクや沿海州からの出稼ぎの可能性があります。アメリカ人のプリンセスのフリをしたり、ローマ兵のフリをしたりと、こんなところでも偽物感が漂ってしまって、悲哀を誘います。


全てのページが魅力たっぷりですが、ここで全てを載せる訳にはいきません。


是非買って見てみて下さい。早いところでは近日中に店頭に並び始めるはずです。






2016年12月5日月曜日

【前編】『中国遊園地大図鑑 北部編』完成しました! 中身お見せします


関上武司さんによる『中国遊園地大図鑑 北部編』が完成しました! 以前に紹介した書店向けFAXDMの記事はこちらです。


『中国遊園地大図鑑』を出版します! 第一弾は偽ミッキーで知られる石景山遊園地を含む中国北部です!


それでは早速中身を紹介してみましょう! カバー以降の写真はワザと画質落としています。本の写真は実際これで見るより綺麗です。

帯を取ったところ。真ん中下のネズミ型ジェットコースターがマヌケ。というか全員マヌケ。

本扉はシンプル。これは偽ディズニーで騒がれた石景山遊園地。

前書きや目次の後に、遊園地の用語解説。
そして早速第1章の華北です。北京や青島など。

トップバッターはやはり何と言っても石景山遊園地。偽ミッキーは諸外国から糾弾されてしまった為、
いなくなってしまったのですが、ディズニーっぽいようなキャラクター達が残存してます。

何かの偽物とは言えないものの、なんとなくディズニーっぽいキャラクター達。

かぶり物の口から中の人が見える。

中国のお化け屋敷は本当に怖い。そして何だかとても汚い!

世界の有名な建物のミニチュア版。しかしどうしてもハリボテ感が漂ってしまっています。

遊園地ではないのですが、ハリーポッターで出てくるお城に似てるとして話題になった河北美術学院という専門学校(笑)。

これが専門学校ですよ。モード学園もビックリ。

やけにディテールに凝っている専門学校。部外者も勝手に潜入して撮影できました。

エジプト政府に怒られてしまい、既に撤去されてしまった偽スフィンクス。

各種コラムも多数設けています。これは遊園地の至る所で描かれている下手くそなイラスト達。

当初左の創業者の頭が備え付けられていたのですが、景観を損ねるとして外されてしまった金の像。

「八路軍文化園」という抗日戦争テーマパークというのもあります。これは日本の軍人が中国人を苛めているところに、
八路軍が救出に駆けつけるという寸劇。

日本軍の軍人を殺すというテーマのサバイバルゲーム風テーマパーク、「遊撃戦体験園」。

とりあえずここまでが第1章の華北です。


第2章は東北地方の黒竜江省、吉林省で、第3章は遼寧省です。


あまりにも多くなってしまうので、第2章、第3章はまた後日、後編として紹介します。


さてこの『中国遊園地大図鑑 北部編』ですが、12月10日頃発売予定です。


こうやって出来上がった本を見ていて、なんかオモシロ過ぎて、これ、書店で見かけたら「自分でも買うだろうな」と思うほどの出来です。



2016年11月15日火曜日

『中国遊園地大図鑑』を出版します! 第一弾は偽ミッキーで知られる石景山遊園地を含む中国北部です!


突然何の前触れもなしに告知しますが、『中国遊園地大図鑑 Vol1北部編』を出します!


著者は関上武司さん。大道芸もできる方で、長年中国の遊園地を調査し続けてきました。


以前、日本のマスコミでも騒がれた通り、北京の石景山遊園地など、中国ではディズニーランドや日本のアニメキャラを模した着ぐるみのマスコットなどが横行していて、とてもヤバイ事になっています。


キモかわいくない
     
ネズミやネコの形をした着ぐるみ 

中世の城を装うハリボテ・萌えキャラだらけの遊具

食欲失うフードコート・トラウマ必至のお化け屋敷

日本兵相手のサバゲー風の抗日テーマパーク



諸外国からの注目を浴びた為、近年では少しずつそういったパクリキャラクターは減ってきていると思いきや、それは表向きだけで、まだまだ健在です。


また色彩感覚が微妙に日本人と異なり、かなり気持ち悪くペイントされた遊具が多く、メンテナンスも行き届いていない為か、かなり汚くて危なっかしいアトラクションが多いです。お化け屋敷じゃないところも、お化け屋敷みたいに見えます。そしてお化け屋敷自体ははこの世の地獄の様に見えます。



色彩感覚が気持ち悪く

版権的にも問題があり

エンターテインメント性や安全性に

疑問符が突き付けられている

中国の遊園地を徹底的に調査!



ニセモノキャラクターが暗躍する遊園地だけでなく、スフィンクスを完璧に再現した事によって、エジプト政府から抗議が寄せられて閉鎖された偽遺跡や、日本兵を相手に射撃できるサバイバルゲーム風抗日テーマパークなど、遊園地と付随するテーマパークも含め28のスポットを扱っています。


●偽ディズニーランドとして有名な遊園地 北京石景山遊楽園
●山塞版ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校 河北美術学院
●エジプト政府も激怒!実物大の偽スフィンクス顛末記 石家庄新長城国際影視城
●廃墟になった国家4A級景区の超大型室内テーマパーク 青島宝龍楽園
●山西省の抗日テーマパークで愛国主義教育 八路軍文化園
●僻地すぎる抗日テーマパークの立地は大丈夫か 遊撃戦体験園
●かつてラストエンペラーが軍事大演習をしていた公園 勝利公園
●絶滅危惧種のアムールトラが餓死した動物園の顛末 瀋陽森林動物園
●「遊園地のネズミ型ジェットコースター」「パクリだらけの遊園地ホームページ」
 「変な看板」「パクリキャラのイラスト」「パクリキャラのお土産」等の特集コラムも!

四六判並製オールカラー224ページ、抱腹絶倒必至!


珍スポットファン、偽物マニア、中国愛好家、遊園地関係者、必見です!


今現在、最終の詰めの作業をしている所ですが、無事順調にいけば12月10日頃から販売開始です。 是非手に取ってみて下さい。


関上さんが訪れた中国の遊園地があまりにも多く、1冊では収まらなかったので、これからシリーズとして定期的に地域に分けて出版する予定です。

2016年11月2日水曜日

J-WaveのGold Rushに出演します

2016年11月4日、J-Waveのアンジャッシュ渡部建ナビゲートのラジオ番組Gold Rushに出演することになりました。


Gold Rush
<MEET UP>18:30-18:50
幅広いジャンルで活躍するアーティスト、
クリエイターなどをお迎えするゲストコーナー。
辺境デスメタル・ヒップホップ愛好家で
『デスメタルアフリカ』の著者、
ハマザキカクさんが語る【辺境音楽のススメ】!

面白い曲を紹介すると思うので、是非是非聴いてみて下さい。

2016年10月27日木曜日

『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』が完成


『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』が完成した。著者はアウトブレイク・ショウ氏。副題は「究極のアンダーグラウンドメタル」。


Tシャツやシールとともに。


この特製Tシャツは10月29、30日に開催される浅草デスフェストで販売予定。もし売り切れたら11月30日のディスクユニオンで開催されるトークイベントの時までに追加で制作する予定だ。




本書のカバーイラストを描いたのはタイ出身のSickness666という、この界隈では有名なイラストレーター。本書で紹介しているZygoatsisのボーカルも務めている。



真上から見たカバー。



カバーを取った表紙。白黒でも十分格好良い。


まずウォーメタル、ベスチャルブラックメタルというジャンルにあまり馴染みがない人に向けて、このジャンルがどういう立ち位置なのかを説明したイントロダクション。


各章の初めにはその時代の情況を説明。まずはジャンル黎明期の1980年から1992年。


ベスチャルブラックメタルの元祖Sarcófago。このジャンルで最もリスペクトされているバンド。白塗りにガンベルトという後のこのジャンルのフォーマットを築き上げた事でも知られている。またWagner氏は元々Sepulturaのボーカルでもあり、しかも後にはミナス・ジェライス連邦大学の経済学の教授になったという逸材。


本書に対談で登場するSighの川嶋未来氏もHadezが日本の出版物に登場する事など今まで全く考えられなかったと述べているが、登場。


来日も果たしたブラジルのImpurityにはインタビューでも登場して貰った。


目出し帽がインパクト大のGoatpenisへのインタビューにも成功。


Sarcófagoと双璧をなすカナダのウォーブラックメタルの権化Blasphemy。


そしてプリミティブ・ノイズブラックとして知られ、この界隈でも影響力が強く、アウトブレイク・ショウ氏も最も好むフィンランドのBeherit。



ウォーベスチャルブラックメタルはUSブルータルデスメタルとは枝分かれしたジャンルだが、ルーツを辿ると至近距離にあった事が分かる。後にAngelcorpseで活躍するPete Helmkamps氏が在籍していたOrder from Chaosや、近年、「暗黒系」「地獄系」とも呼ばれるスタイルの元祖となるIncantationも紹介している。


ウォーベスチャルブラックメタルという括り以外で紹介される事も多いが、フィンランドのブラックメタルImpaled NazareneやドイツのサタニックグラインドBlood。こういった周辺ジャンルからの影響も色濃く受けているのが特徴だ。


左頁はレーベル紹介。そして右はSadistik Exekution。このジャンルはオセアニアでも盛ん。


また必ずしも「辺境メタル」という訳ではないにしても、他のメタルサブジャンルに比べて、ウォー・ベスチャル・ブラックメタルは欧米以外の第三世界から数多くのバンドが登場して、シーンが盛り上がったジャンルである事は確かだ。シンガポールのAbhorerや


フィリピンのDeiphago(後にコスタリカに移住)などが有名なバンドとして知られる。


シンガポールのImpietyの存在感は凄まじく、東南アジアのバンドは多かれ少なかれこのバンドの影響を受けていると言っても過言ではない。


このジャンルの総本山と言えるNuclear War Now! Productionsのコニシ氏にインタビュー。非常に貴重な話が聞けた。


ペルーのGoat Semenへのインタビューにも成功。



近年のフレンチブラックとは全く一線を画す、むしろアメリカで評価の高いフランスのLügerのインタビュー。



ロシアは近年スラミングブルータルデスやペイガンフォークが盛んだが、同国のウラル山脈麓ペルミ出身のブラックデスPseudogodへのインタビュー。


マレーシアのMantakや来日経験があり、メンバーが殺害された事でも知られるSurrender of Divinity。


日本で最もウォーベスチャルブラックメタルをリリースしているDeathrash Armageddonの浅井氏にもインタビューでご協力頂いた。


高円寺のRecord Boyも精力的にウォーベスチャルブラックメタルの音源の普及に努めており、インタビュー。大倉店長はディスクユニオンでのトークイベントにも登壇される。


ウォーベスチャルブラックメタルのシンボルに山羊が活用されるが、その文化的解説。


本書のカバーを描かれたSickness666がボーカルを務めるZygoatsis。


圧倒的な地獄サウンドからAntediluvianとともにブルータルデスメタルファンからも評価の高いDiocletian。


日本アンダーグラウンド界の長老はるまげ堂の関根氏にもインタビュー。グラインドコアで知られているが、ウォーベスチャルブラックメタルの造詣も深く、近年では同ジャンルの取り扱いが増えてきている。


韓国で孤軍奮闘しているNocturnal Damnationへのインタビュー。


スリランカは近年、有力バンドを輩出してきている事で注目されているが、同国を代表するGenocide Shrinesにも話を聞いた。


女性ギタリストMoenosが率いるSex Messiahへのインタビュー。冒頭のImpurityの来日招聘を実現させた人物でもある。


反仏教を掲げる三重のウォー・ブラック・グラインドReek of the Unzen Gas Fumes。世界的な人脈を持ち、本書でインタビューした海外バンドのインタビューの仲介でも協力頂いた。



インドのバンガロールを拠点にTrend Slaughter Festなども主催するレーベルCyclopean Eye Productionsのインタビュー記事。


Sighの川嶋未来氏は、80年台から海外のカルトスラッシュバンド達と直接交流を取り、テープトレードをしていた事でも知られる。同氏のそうした側面への話をお伺いした。


ざっと本書のポイントとなるページを紹介したが、ここには載っていない魅力的なコンテンツも豊富に収録されてある。


ウォー・ベスチャル・ブラックメタルはエキストリームメタルの中でも特にアンダーグラウンド志向が強く、これまで情報は非常に限られていた。日本はおろか海外でも書籍としてまとめられ事はない。したがって本書『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』は非常に謎めいた同ジャンルに焦点を当てた本としては世界でも初めての試みとなる。既に海外からも問い合わせが複数来ている。日本語でこの様な本が出版されるというのは前代未聞である。このジャンルに関心がある方々は是非手に取って確かめて頂きたい。


本書は一般書店では11月10日頃発売の予定だが、浅草デスフェストで先行販売する以外にも日本各地のレコードショップでも正式発売日よりも数日早く販売を開始する予定だ。A5判224ページ、2200円。