2015年9月21日月曜日

『デスメタルアフリカ』中身その3、ケニアでメタルコアが大流行

「デスメタル」というだけでも狭すぎるのに、「アフリカ」を掛け合わせて更に間口を狭めている『デスメタルアフリカ』。しかしインターネットではその刊行が驚きをもって、受け入れられている様である。早速、幾つものサイトで紹介された。


さてその『デスメタルアフリカ』だが、いよいよ日本では最もアフリカの平均的なイメージに近い東アフリカを紹介しよう。


ケニアは東アフリカの中心的な存在なだけあって、他の国々に比べてもメタルが盛んだ。またインド系移民の末裔が多いことでも知られる。右のページのバンドはヒンズーの伝統を体現しつつもAnaal NathrakhやBehemothといった近未来風ブルータルサウンドを追求しているバンド。



発展途上国では1つの画期的なバンドが登場すると、その後続々とフォロワーがイナゴの様に大量に沸いてくるのが特徴だ。ケニアではLast Year's of Tragedyというメタルコアが登場してから、彼らのフォロワーが大量に湧き出てきている。通常、メタル初心者にも最も分かりやすくて取っつきやすい「デスラッシュ風」のバンドがまず黎明期に登場するのが一般的だが、ケニアではいきなり最初からメタルコアに突入してしまったのである。



はるまげ堂の関根氏もプッシュしていたのがウガンダのVale of Amonition。先に紹介したAfrican Doomhammerとともに「これはメタルなのか?」と疑問に思わざるを得ない、もはや理解不能な音楽を築きあげた。はっきり言って「適当に弾いてるのではないか?」とも思えてくる音だが、インタビューしてみると意外と理論派でインテリ。おまけに日本のバンドではSigh、Sabbat、Abigail、BarbatosからLoudnessやAnthem、そしてXーJapanを好きなバンドとして挙げてくるほどメタルマニア。




左のバンドはなんとムセビニ大統領の専属カメラマンを務める人物によるヘビメタバンド。しかも父親もあのアミン、そしてオボテ大統領の専属カメラマンだったそうだ。


右のバンドはタンザニア唯一のブラックメタル。そして『デスメタルアフリカ』で唯一音源が全く試聴できなかったバンドだ。今でもその謎は全く究明できていない。


『デスメタルアフリカ』ではInfertile Surrogacyなど「アフリカ出身を詐称するバンド」を紹介しているが、右のバンドは「コンゴ原産」のインコがメインボーカルを務めるグラインドコアバンド。


アフリカ以外の国、主にアメリカにおける「黒人をメンバーに要するメタルバンド」を調べ、それを一覧表にまとめたコラムも設けている。


有名どころで言うと「True Black Metal」と揶揄されることの多いBlack DeathやGod ForbidのHoward Jones、そしてSuffocationなどがいる。この「黒人メタルバンド」は度々欧米でも話題になるネタである。


この通り、『デスメタルアフリカ』ではバンド紹介やインタビューだけでなく、独特の切り口のコラムを複数用意している。


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